弁護士 今田慶太blog

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フランケンシュタイン

パソコンのタスクバーにフランケンシュタインの怪物の絵が出ていたので「何だろう?」と思いクリックすると、本日8月30日は小説『フランケンシュタイン』の作者メアリー・シェリーの誕生日だそうだ。

シェリーは1797年にロンドンで生まれ、『フランケンシュタイン』を書き始めたのはなんと19歳の頃(1816)である。

フランケンシュタインの怪物は誰もが知るポピュラーな怪物だが、実はフランケンシュタインは怪物ではなく怪物を生み出した博士の名前で、皆がイメージする「怪物」に名前はない。

多くの方がボルトが体を貫通している怪物の姿を思い描くと思うが、これはジェイムズ・ホエール監督の映画『フランケンシュタイン』(1931)の影響が大きい。この映画で怪物を演じたボリス・カーロフの強烈な印象が後世まで影響を及ぼしているのだ(それか『怪物くん』のフランケン)。

映画では、殺人者の脳が怪物に埋め込まれるが、小説にはそのような描写はない。また、映画の中の怪物は言葉を喋らないが、小説の中の怪物は言語と知識を次第に獲得していく。

知性と感情を獲得した怪物は、200年の時を超えて私たちに問う。

「ではいったい自分は何なのか?おれは自分がどのようにして、誰に作られたのか、まったく知らない。金も、友達も、およそ財産とよべるものは何もない。それどころか、おぞましい容姿で皆から嫌われている。性質も人間とは異なる。敏捷で、粗末な食べ物でも生き延びられるし、どんなに暑く、あるいはどれほど寒くても、身体はびくともしない。おまけに体格は人間よりもはるかに大きい。まわりを見ても、同じような存在はいないし、聞いたこともない。では自分は怪物で、この地球上の穢れなのか?だから、誰もがおれから立ち去り、誰もがおれを捨てるのか?」

『フランケンシュタイン』シェリー著、小林章夫訳・光文社古典新訳文庫より