言葉を紡ぐということは、どんなに辛く苦しいことか。 SNS時代の今だからこそあらためて読まれるべき、言葉を巡る天才の苦悩。 「軽やかに滑れ、死すべき者よ。踏みしめることなかれ。」 この母の口癖は希望か、それ […]
弁護士の本棚ー法律専門書(令和7年4月)
特に、元最高裁判事による次の2冊を読むことが楽しみでならない。 畠山亮・福島至編『団藤重光日記 1978-1981』日本評論社 泉徳治著『最高裁判所と憲法 私が考える司法の役割』岩波書店
2025-16 大村敦志『人間の学としての民法学Ⅰ構造編:規範の基層と上層』
大学時代、教育地域科学部に所属していた私は、その4年間、法律学とはほとんど無縁の生活を送ってきた。 ロースクールでの3年間は必死に法律について勉強したが、司法試験に合格しなければという焦りが先行し、法哲学を、法理論を、そ […]
2025-15 ジョルジュ・バタイユ『マダム・エドワルダ』
この本は新書サイズだが、通常のB6サイズに比べて縦が少し長い。 なぜか。 本文の余白を生み出すために必要だったとすれば? 余白すら味わいの、解釈の対象であると私なりに理解したとき、本という宇宙の底知れぬ魅力に眩暈する。 […]
2025-14 伊藤和子著『ビジネスと人権―人を大切にしない社会を変える』岩波新書
グローバルな企業活動の展開に伴い、近年「ビジネスと人権」が重要な取組課題となっている。 2011年に国連が「ビジネスと人権に関する指導原則」を全会一致で採択したことを契機に世界中でビジネスと人権に関する潮流が生まれ、日本 […]
2025-13 井上達夫著『悪が勝つのか?―ウクライナ、パレスチナ、そして世界の未来のために』信山社法と哲学新書
本書は3つの論文から構成されており、第1章は主にウクライナ戦争について〔2023年5月〕、第2章はガザ戦争の勃発を受けて〔2024年5月〕、第3章はこれらの戦争の今日までの状況を踏まえた論考がなされている〔2025年1月 […]
2025-12 待鳥聡史・宇野重規編『〈やわらかい近代〉の日本リベラル・モダニストたちの肖像』
伝統的秩序への回帰を志向しないという意味で保守主義でもなく、急進的な体制変革を志向しないという意味でマルクス主義でもない、自由民主主義体制内からの積極的な近代化の推進を特徴とするリベラル・モダニストたち。 彼らの幅広く巨 […]
弁護士の本棚ー法律専門書(令和7年3月)
2025-11 渡邉雅子『論理的思考とは何か』岩波新書
最近話題の新書を読む。 論理的思考の方法は世界共通でも不変でもないことを知る。 本書で示された四領域の思考法(経済・政治・法技術・社会)を意識し、これを使い分ける訓練を実践する。 AI時代を生き抜くための多元的思考を獲得 […]
2025-10 G・バタイユ『太陽肛門』酒井健訳
「金属の輪は赤道のパロディである」 車輪の回転運動とピストン運動の結合は近代の象徴ともいうべき機関車の疾走を、まるで映画の一場面を想起させ、けたたましい警笛音と金属音が大地を揺らす。 煙突から爆発する蒸気は、地球にとって […]