弁護士 駒井重忠Blog

弁護士法人 菜の花

7月豪雨に思うこと

7月7日から9日にかけて、西日本の日本海側を中心に記録的な豪雨となりました。鳥取県と島根県に発達した雨雲が帯状に連なる線状降水帯が確認されたそうです。

出雲市では1時間に75ミリ、倉吉市では47ミリの記録的な雨量となりました。北栄町と江府町では全町民が避難対象になったそうです。松江市や鳥取市内でも一部の地域に最大級の避難情報である「緊急安全確保」が発令されました。私の事務所内でも皆の携帯電話からアラートが一斉に鳴り響いて、しばし騒然となりました。

この記録的な豪雨によって浸水被害に遭われた方もおられます。倉吉市では土砂崩れで工場が倒壊し、中にいた3人の方が巻き込まれました。幸い命に別状はなかったということですが、とても恐い思いをされたと思います。また、今回の豪雨で最盛期のスイカをはじめたくさんの農作物が被害に遭いました。

静岡県熱海市では7月3日からの豪雨による土石流でたくさんの方が被害に遭われました。心からお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。また、救助作業や復旧作業に当たられる方には敬意を表したいと思います。

ここ数年、毎年のように7月は豪雨災害に見舞われます。平成29年7月には福岡県と大分県で九州北部豪雨があり、37名の死者と4名の行方不明者という被害が生じました。平成30年7月には西日本豪雨で300人を超える犠牲者が出ました。昨年7月も熊本県を中心に日本各地で豪雨災害がありました。梅雨や七夕といった日本の風情は、もはや過去のものになりつつあるように思います。

豪雨が明ければ、熱波の到来です。気温37℃を超える異常な暑さに見舞われることでしょう。今年6月末にはカナダで気温が49℃を超えたそうです。同じような現象が日本でも起きる可能性があります。

地球規模での気候変動は、私たちの生活に直接的な悪影響を与えます。こうした気候変動の原因については、諸説あるだろうと思いますが、いずれにせよ、科学的証明を待つ余裕はありませんので、現時点で多くのコンセンサスを得られている温暖化への対策は、人類にとって喫緊の課題だといえます。

もはや自国だけの利益や繁栄を追及することに合理性はないと言えますし、人々の共感は得られないだろうと思います。今後開催されるオリンピックも、地球規模での課題解決に協力することなく、自国や開催都市の繁栄を誇示するだけでは、端から白い目で見られるだけで、人々の共感は得られないでしょう。純粋に、代表する選手達ひとり一人の人間の力を、私たち人類の力に変えていくための祭典にしなければなりません。そうした意味において、このコロナ禍で開かれる東京オリンピックには重要な意味があると思います。